ただの水なのに企業価値1000億円以上に

水を売る。

実は水という商品はマーケティングにおいて、非常に難しい商品だと思いませんか?

水は大きく商品品質に差がなく、値段幅も非常に狭い商品です。
いかにして商品の付加価値やブランディングを構築するか求められるためです。

今回はアメリカのスタートアップが打ち出した、ただの水を面白い発想から
売れる&話題になった商品のお話をしたいと思います。

目次

ただの水なのに売上190億円

アメリカで登場した新しい水が話題を呼んでいます。

商品名は「Liquid Death」(リキッド・デス)でこの商品のビジネスモデルは今までありそうで
なかったやり方で新しい水の販売をしています。

ごく一般的な水をミネラルウォーターボトルや炭酸水で販売するのではなく
缶でデザインもお酒のようなものと見間違うような見た目をしています。

コンサート会場やバーを中心に持っていてもおしゃれに映り、従来のシンプルなボトルや
無機質なデザインとは異なるため若者が多く集まる場所を中心に人気を博しています。

あえて派手かつ缶を選ぶことで今までになかった存在感を生み出す

かっこいいだけではなく、環境にも配慮

従来のペットボトル飲料ではプラスチックのゴミ問題など環境問題に発展しやすい素材が使われていたが、リキッドデスはリサイクルされやすいアルミ缶を使用することで
脱プラスチックを訴えています。

同社では「Death To Plastic」(プラスチックに死を)と銘打ったキャンペーンも展開しており
従来のプラスチックを皮肉ったインパクトの強いマーケティングも行っています。

キャンペーン動画やイメージ画像などは少し過激めとなっており日本国内で受け入れられる可能性は少し疑問符が残ってしまうが、実際にアメリカ国内ではSNS上で数百万人のフォロワーを獲得しており、多くの人から脱プラスチックに対する姿勢を肯定する意見も多く出ています。

強いインパクトを強い意志の元で発信することで多くの人から関心を得られている

水を売るのではなく、世界観を売り出す

同社では、目立つキャッチコピーや演出などを独自の世界観で築いており
メイン商材の水だけではなく様々なアイテムも販売して世界観で顧客を引き付けています。

通常、水を取り扱う飲料メーカーではグッズ展開をすることはあまりないが
リキッドデスではバッグやアパレル、時計など多くのグッズ展開がされています。

商材だけで留めず世界観で顧客を掴み取る

企業価値は既に1000億円以上に

2022年10月にはリキッドデスは7000万ドル(約102億円)の資金調達もしており
この資金調達により企業価値は1000億円以上になっています。
売上も約190億円と独自の販売路線ながら好調な売上高を叩き出しています。

資金調達により更に新たな飲料カテゴリーの開拓はもちろん
ヨーロッパ市場への進出なども予定されており
世界での水の売り方が大きく変わっていく可能性を秘めています。

同社では今後2年以内のIPOを目指しており、リキッドデスが市場での注目になるか
今後の動向が気になる新進気鋭の会社と言えるでしょう。

リキッドデスがマーケティングのお手本とも言える

まとめ

今まで誰もが当たり前に思っていたデザインや売り方など少しの売り方の違いで
大きなニーズを掘り起こし、新しい需要を生み出すなどマーケティングの醍醐味が
リキッドデスには感じられる面白い企業です。

イベント会場やバーなどでもお酒を飲まない人という小さなターゲットが
大きなニーズを生み出し、1000億円以上もの価値を持つ企業になるなど
細かなところもマーケティングでは見逃せない重要なポイントです。

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